JPPAは、2011年4月1日に一般社団法人の認可を受け、養豚生産者のみを正会員とする団体となりました。
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サーコワクチン発売に当たって
JPPAとしての「基本的考え方」について


先週1月18日、厚労省の薬事・食品衛生審議会は、国内初となるサーコワクチンの輸入販売にかかる承認を決定しました。ベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン(株)が昨年8月末に承認申請を行っていた子豚用の不活化ワクチンで、申請から5ヶ月足らずの承認は、慢性疾病に対するワクチンとしては極めて異例のスピード承認です。JPPAが発足時から、慢性疾病対策を主要事業の1つに位置づけて様々な取り組みを展開し(2ページ目参照)、そうしたなかで北米におけるサーコ関連疾病の事情および、使用が始まっていたワクチンの効果に関する情報を基に、国内における早期のワクチン使用に向けた要請活動を積み重ねてきた大きな成果であると自負しています。この成果を全国の会員が地域の活動で周囲の仲間に伝えるなかで、さらに会員の拡大、組織力の強化に結びつけたいと考えています。
一方で、ベーリンガー社のサーコワクチンは、北米においても品薄の状態が指摘されており、JPPAとしては、発売後の流通の混乱を避け、ワクチンが本当に必要な生産者に適正な価格で販売されるよう、その体制づくりについて議論を重ねて参りました。メーカーサイドには、当初段階におけるある程度のロット確保を強く求める一方で、当面の措置として、下記のようなJPPAとしての「基本的な考え方」(2ページ目参照)を取りまとめ、会員はじめすべての養豚生産者に呼び掛けることといたしました。また農水省に対しては、「基本的な考え方」に基づく体制づくりに行政・家保の連携が得られるよう、指導をお願いすることとしています。

サーコワクチンの早期承認に向けたJPPAの活動

〜 サーコワクチン国内発売にあたってのJPPAとしての基本的考え方〜
  1. サーコウイルスは全国どこの農場でも浸潤しており、他のウイルス等の重感染で発症すると言われている
  2. サーコ関連疾病の清浄化、コントロールの効果を最大限にあげるためには、行政・家保・各都道府県養豚団体・生産者が地域ぐるみで一丸となって取り組むことが重要である
  3. 農水省には、サーコワクチンの市場流通に伴う「サーコ関連疾病コントロール対策要綱」を早急に策定のうえ、都道府県に対し、ワクチンの適切・効果的な利用について指導徹底を求める
  4. とくに事故率の高い地域にあっては、都道府県または汚染地域ぐるみで「地域豚慢性疾病清浄化対策協議会」を設立し、事前に豚慢性疾病の汚染程度等を調査し対策を樹立する
  5. ワクチンの接種効果は、これまでのデータから農場によってバラツキがあることから、ワクチンメーカーと連携しながら、適切な接種方法の検討や飼養管理等についてフォローする必要がある
  6. ワクチンの流通にあたっては、事故率の高い汚染地域への配分を最優先すること、また、ワクチン価格については、適正な価格で販売されるよう引き続きメーカーに働きかけていく
  7. 日本養豚生産者協議会(JPPA)設立理念に基づき、日本の養豚生産者のすべてがJPPA会員になるよう、一連の活動の成果を普及・啓蒙していく

なお、理事会等でこの問題を議論する過程においては、今回のワクチン早期承認はJPPAが会員の声を結集して行政に働きかけた成果であり、その恩恵は先ず、JPPA会員が享受できるようにすべきだとする声もあがりました。しかし、疾病問題でそうした対応をとることは、会設立の趣旨に反すること、また防疫の観点から適切でない、との判断になりましたこと、申し添えておきます。

サーコワクチンの早期承認に向けたJPPAの活動記録

2006年3月 JPPA設立。施策の重点課題の1つに疾病・衛生対策を掲げた。
2006年4月 平成18年度から3年間の高度化事業として、動衛研と日本養豚開業獣医師界(JASV)のPRRS対策に関する共同研究開始。JPPAとして動衛研に対し研究費(100万円)を寄付金として資金提供することになる。
2006年7月 JPPAがイニシアチブをとって産官学参加の「豚慢性疾病対策等生産性向上対策協議会」を立ち上げた。
2006年12月 JPPAは『JPPAが目指す日本養豚のビジョン』をとりまとめ、このなかで疾病対策への姿勢を明確に示すとともに、サーコ対策の必要性にも言及。
2007年1月 農水省生産局畜産部の本川部長および消費・安全局畜水産安全管理課に対し各地における疾病発生状況を報告するとともに、サーコワクチンの早期承認等、行政対応を要請。
2007年2月

JPPAは、慢性疾病対策への現場の士気高揚と効果的な対策に関する情報提供を目的として、JASVの会員獣医師らが衛生対策や臨床事例を綴った『PRRSコントロール事例集』を3000部発行。会員や全国の家保等にも配布したほか、会員外にも販売。

2007年2月〜 『PRRSコントロール事例集』をテキストに、執筆者の1人でPRRSの専門家である大竹聡獣医師を講師の軸にすえたセミナーを全国9ヶ所で開催。約1200人の参加者を集めた。
2007年春〜 北米で前年から本格的な使用が始まっていたサーコワクチンの事故率軽減等への良好な効果が相次いで紹介されるようになる。
2007年6月 農水省消費・安全局長へ「サーコワクチン早期承認の要請文書」を提出。
2007年7月 千葉県旭市で県および市町村、地元の養豚組合が主催する現地検討会が開催され、この席には志澤会長はじめ地元のJPPA理事、会員も参加するなか、農水省消費・安全局の担当官、動衛研の研究者、県内全家保の職員、共済や開業の獣医師ら100人以上が出席。農水省の獣医職員も農場に入り現場の実情を認識。また、国内で初めて病原性が高いとされるヨーロッパタイプのサーコウイルスが浸潤していることも明らかにされた。
2007年8月末 日本でのサーコワクチン承認申請に向けて治験に取り組んでいた3社のなかからベーリンガー社が先陣を切って承認申請。これを受けてJPPAで農水省消費・安全局各担当課長へ承認期間短縮を要請。
2007年10月 内閣府食品安全委員会訪問見上彪委員長面談。サーコワクチンの審査を急いでくれるように要請。農水省畜水産安全管理課、動物衛生課に承認期間の短縮を要請。
2007年11月 厚生労働省医薬食品局訪問。薬事審査を急いでくれるように要請。養豚生産者が直接厚労省に要請に行ったのは初めてとの話しであった。
2007年12月 ベーリンガージャパン社クイン社長と面談し、最初のロットの数量の増加と、ワクチンの販売単価をアメリカ並みの値段に抑えるよう、再三に亘って要請。1月に入りクイン社長から最初のロットの増量の回答を得た。
2008年1月 ベーリンガー社のワクチンについて、食品安全委員会のリスク評価が問題なく終了し、1月18日の薬事・食品衛生審議会において正式に承認された。
2008年3月 国家検定作業を経て、ワクチン販売開始予定。